Music Journey

The Stone Roses/The Stone Roses=Music Journey Vol.05

kishioka-yasuo

このアルバムは1989年にリリースされたイギリスのロックバンドのデビューアルバムで、当時の音楽シーンに大きな影響を与えました。アルバムはサイケデリック・ロック、インディー・ロック、ダンス・ミュージックなどの要素を融合させた独自のサウンドを展開し、批評家やファンから高い評価を得ました。アルバムに収録された曲の中には、「I Wanna Be Adored」、「She Bangs the Drums」、「Waterfall」、「Made of Stone」、「I Am the Resurrection」などがあります。これらの曲は今でも多くの人に愛されています。アルバムはチャートや賞にも多く登場し、イギリスでは200万枚以上、世界では400万枚以上の売り上げを記録しました。アルバムはローリング・ストーン誌やNME誌などの音楽雑誌でベスト・アルバムの一つとして選ばれました。また、後に登場したオアシスやブラーなどのバンドにも大きな影響を与えました。このアルバムはイギリスのロック史において重要な位置を占める名作です。

1. I Wanna Be Adored

アルバムのオープニングを飾るこの曲は、ベースの単純なリフから始まり、徐々にギターとドラムが加わっていく構成です。歌詞は自信とプライドに満ちており、ボーカルのイアン・ブラウンは「I don’t have to sell my soul / He’s already in me」と歌います。この曲は、バンドが自分たちの音楽に対する姿勢や野心を表現したものと言えます。

2. She Bangs the Drums

明るくポップなメロディーとキャッチーなコーラスが印象的なこの曲は、恋に落ちた男性の気持ちを歌っています。ギターのジョン・スクワイアは、この曲で多くのエフェクトを使っており、特にフランジャーと呼ばれるエフェクトが曲に奥行きと広がりを与えています。この曲は、シングルカットされてUKチャートで9位に入りました。

3. Waterfall

水の流れをイメージさせるようなギターリフが特徴的なこの曲は、自由を求めて旅立つ女性の物語を歌っています。歌詞には「She’ll carry on through it all / She’s a waterfall」というフレーズが繰り返されますが、これはバンドが好きだった1960年代のサイケデリックロックバンド、ラヴの曲「She Comes in Colours」から引用したものです。この曲は、シングルカットされてUKチャートで27位に入りました。

4. Don’t Stop

前曲のWaterfallの逆回転バージョンであるこの曲は、実験的な試みと言えます。逆回転した音源に新たな歌詞とボーカルを重ねたもので、不思議な雰囲気を醸し出しています。歌詞は意味不明な部分も多く、聴き手に解釈を委ねるような作品です。

5. Bye Bye Badman

この曲は、1968年にフランスで起こった学生運動と労働者運動を題材にしています。バンドはこの事件に関する本や映画を見て感銘を受け、曲を作りました。歌詞には「I’ve got lemons in my eyes」というフレーズがありますが、これはデモ隊が催涙ガスから目を守るためにレモン汁を使ったことに由来しています。ギターのスクワイアは、この曲でストーンズやビートルズの影響を受けたと語っています。

6. Elizabeth My Dear

この曲は、ビートルズの「Scarborough Fair」のメロディーに新たな歌詞を乗せたものです。歌詞はイギリスの女王エリザベス2世に対する暗殺願望を表現したもので、バンドの反体制的な姿勢を示しています。この曲は、アルバムの中で最も短く、わずか1分にも満たない曲です。

7. (Song for My) Sugar Spun Sister

この曲は、幻想的な世界に住む女性に対する恋心を歌っています。歌詞には「She paints her face with plastic goo / And wrecks her hair with gum」というフレーズがありますが、これは女性が自分の美しさを隠すことに対する批判とも受け取れます。この曲は、ポップでキュートなメロディーとコントラストをなす、皮肉な内容の曲です。

8. Made of Stone

この曲は、バンドの代表曲の一つであり、シングルカットされてUKチャートで20位に入りました。この曲は、失恋した男性の冷めた気持ちを歌っています。歌詞には「Sometimes I fantasise / When the streets are cold and lonely / And the cars they burn below me」というフレーズがありますが、これはバンドが住んでいたマンチェスターの治安の悪さを反映しています。ギターのスクワイアは、この曲でジミ・ヘンドリックスの影響を受けたと語っています。

9. Shoot You Down

この曲は、自分に興味を示さない女性に対する復讐心を歌っています。歌詞には「I’d love to do it and you know you’ve always had it coming」というフレーズがありますが、これは暴力的なニュアンスを含んでいます。この曲は、バンドの中でも最もスローなテンポで演奏される曲です。

10. This Is the One

この曲は、自分の夢や目標に向かって進む決意を歌っています。歌詞には「This is the one / This is the one / She’s waited for」というフレーズが繰り返されますが、これは女性だけでなく、自分自身や音楽に対する情熱を表現したものと言えます。この曲は、エネルギッシュで力強いサウンドが特徴的です。

11. I Am the Resurrection

アルバムの最後を飾るこの曲は、バンドの自信とプライドを最高潮に表現したものです。歌詞には「I am the resurrection and I am the light / I couldn’t ever bring myself to hate you as I’d like」というフレーズがありますが、これはキリスト教の復活のイメージと自分の敵への態度を結びつけたものです。この曲は、4分間のボーカルパートと4分間のインストゥルメンタルパートから構成されており、後者ではギターとドラムが見事な掛け合いを見せています。この曲は、バンドのライブでも必ず演奏される定番曲です。

12.Fools Gold

※一部の非英国版に収録されています。

この曲は、Madchester、ダンスロック、ファンクロックというジャンルに分類されます。ベースのマニとパーカッションのレニがリズムセクションを担当し、ギターのジョン・スクワイアがワウペダルを使ったエフェクトを加えています。ボーカルのイアン・ブラウンは、ささやくような声で歌っています。この曲は、James Brownの「The Funky Drummer」やYoung MCの「Know How」などのサンプリングや引用が含まれています。また、歌詞にはNancy Sinatraの「These Boots Are Made for Walkin’」やMarquis de Sadeという言葉が登場します。Brownによると、この曲のヴァースは、John Huston監督の1948年の映画「The Treasure of the Sierra Madre」にインスパイアされたもので、「金を探すために装備を買って山に入った3人の男が互いに裏切り合う」という話だと言っています。

The Stone Rosesについて

The Stone Rosesは、1980年代後半から1990年代初頭にかけて活躍したイギリスのロックバンドです。彼らはマンチェスター出身で、イアン・ブラウン(ボーカル)、ジョン・スクワイア(ギター)、マニ(ベース)、レニ(ドラム)の4人で構成されていました。彼らの音楽は、サイケデリック・ロック、ファンク、ダンス・ミュージックなどの要素を取り入れた独自のスタイルで、マッドチェスターと呼ばれるムーブメントの先駆者となりました。彼らは1989年に発表したセルフタイトルのデビューアルバムで大きな成功を収め、批評家やファンから絶賛されました。このアルバムには、「I Wanna Be Adored」、「She Bangs the Drums」、「Waterfall」、「Made of Stone」、「I Am the Resurrection」などの名曲が収録されています。彼らは1990年にスパイク・アイランドと呼ばれる野外コンサートを開催し、約3万人の観客を集めました。このコンサートは、彼らのキャリアのピークとも言える出来事でした。しかし、その後、彼らはレコード会社との契約問題やメンバー間の確執などによって活動が停滞しました。彼らは1994年にセカンドアルバム「Second Coming」を発表しましたが、前作ほどの評価を得ることができませんでした。このアルバムには、「Love Spreads」、「Ten Storey Love Song」、「Begging You」などの曲が収録されています。彼らは1995年にレニが脱退し、1996年にマニが脱退しました。その後、ブラウンとスクワイアはソロ活動に専念するようになりました。彼らは2011年に再結成を発表し、2012年から2017年にかけてワールドツアーを行いました。彼らは2016年に新曲「All for One」と「Beautiful Thing」を発表しましたが、新作アルバムの発表はありませんでした。彼らは2017年に最後のコンサートを行い、再び解散しました。The Stone Rosesは、イギリスのロックシーンに大きな影響を与えたバンドであり、オアシスやブラーなどの後続のバンドに多くのファンや尊敬を得ました。彼らは今でも多くの人々に愛されている伝説的なバンドです。

イアン・ブラウンについて

イアン・ブラウンとは、イギリスのマンチェスター出身のシンガーソングライターである。彼は1984年に結成されたオルタナティブ・ロックバンド、ザ・ストーン・ローゼズのボーカリストとして知られている。ザ・ストーン・ローゼズは、1989年に発表したデビューアルバム『ザ・ストーン・ローゼズ』で高い評価を得た。このアルバムは、マッドチェスターと呼ばれる音楽シーンの代表作となり、イギリスのロック史においても重要な位置を占める。ザ・ストーン・ローゼズは、1996年に解散するまでに、もう一枚のアルバム『セカンド・カミング』を発表したが、デビューアルバムほどの成功は収められなかった。

イアン・ブラウンは、1998年にソロデビューアルバム『アンフィニッシュド・モンキー・ビジネス』を発表した。このアルバムは、ザ・ストーン・ローゼズ時代のサイケデリックなサウンドから一転して、ダブやファンクなどの要素を取り入れた実験的な作品となった。イアン・ブラウンは、その後もソロとして活動を続け、2009年までに7枚のアルバムをリリースした。彼の音楽は、多くのミュージシャンに影響を与えたと言われており、オアシスのノエル・ギャラガーとも親交がある。

2011年には、ザ・ストーン・ローゼズが再結成されたことが発表された。イアン・ブラウンは再びボーカリストとして参加し、世界各地でライブを行った。2016年には、新曲「オール・フォー・ワン」と「ビューティフル・シング」を発表し、2017年にはサードアルバム『オール・フォー・ワン』を発表した。しかし、2019年には再び解散したと報じられた。

イアン・ブラウンは、2019年に10年ぶりとなるソロアルバム『リプルズ』を発表した。このアルバムは、彼自身がプロデュースし、ほとんどの楽器やボーカルを担当した。また、3曲では息子と共作している。このアルバムでは、彼の持ち味であるメロディアスでグルーヴィーなサウンドが展開されている。

イアン・ブラウンは、現在もイギリスのロックシーンにおいて重要な存在であり続けている。彼の音楽は、常に新しい挑戦と変化を求めており、多くのファンや批評家から支持されている。

ジョン・スクワイアについて

ジョン・スクワイアは、イギリスのロックバンド、The Stone Rosesのギタリストとして有名な音楽家であり、また画家としても活動しています。彼は1962年11月24日にチェシャーのオルトリナムで生まれ、幼少期から絵が得意でした。彼は学校でイアン・ブラウンという友人と出会い、パンク・ロックに傾倒しました。彼らは1983年にThe Stone Rosesを結成し、1980年代から1990年代にかけてマッドチェスター・ムーヴメントの中心的存在となりました。

ジョン・スクワイアは、The Stone Rosesの全ての曲の作曲とアートワークを担当しました。彼のギター・プレイはジョニー・マー(ザ・スミス)と並ぶ1980年代のイギリスを代表するものであり、2010年にBBCが行った過去30年で最高のギタリストを選ぶ投票では13位にランクインしました。彼のアートワークはジャクソン・ポロック風のアクション・ペインティングが特徴的で、バンドのレコードやポスターだけでなく、自身の個展やチャリティオークションでも展示されました。

ジョン・スクワイアは1996年にThe Stone Rosesを脱退し、その後はザ・シーホーセズやソロとして音楽活動を続けましたが、2007年以降は画家としての活動に専念するようになりました。2011年にThe Stone Rosesが再結成されると、彼も参加しましたが、2017年に再び解散しました。現在は音楽から遠ざかっており、自身の作品を展示することに力を注いでいます。

ABOUT ME
Yasuo Kishioka
Yasuo Kishioka
Web Designer
記事URLをコピーしました